社員ブログ
動き出してみたら、わかってきた。
仕事の中心にAIがあるって、どういうことなのか。
AIがここまで騒がれる少し前、2023年1月から、Bit BeansはAIを会社の中に取り入れてきました。
今では、全員がアプリをつくれるくらいには活用できています。
でも最近、こう思うんです。
AI時代に本当に変えなくてはいけないのは、仕事のやり方だけではなく、自分が自分に抱いている自己認識である、と。
全4回に分けてつづる、AIの使い方の話ではなく、これからの世界をどう見るかという話。
2回目は、AIの乗りこなし方のお話です。
(1回目はAIに仕事を奪われる論争に、終止符を打とう)
コンテンツ
本来、AIがあれば誰でも同じ場所に辿り着ける
AIの使い方には、人によって差がある。今はまだ、そう言っていいと思います。
でも、本来は違うんじゃないかとも、思っているんです。
行きたい場所がきちんと定義されていて、AIをある程度乗りこなせているなら、途中のルートに多少の違いはあっても、最終的にはかなり近い場所に辿り着くのではないか。
東京から大阪へ行くのに、東名を使うか新東名を使うかくらいの違いはあっても、行き先がきちんと定義され、必要な前提も共有されていれば、多少ルートは違っても、かなり近いアウトプットに辿り着ける。
人間が目的地だけを設定したら、AIが別のAIに指示を出し、必要なことを進め、最後に人間へ報告する。
そんな未来は、たぶんそれほど遠くない気がします。
そう考えると、今必要とされている「AIを上手に使う技術」そのものも、かなり短命なスキルなのかもしれません。
もしかすると、数年も必要ない過渡期の技術かもしれない。
それでも今は、まだ少しだけマニュアル運転が必要
とはいえ、今はまだ完全な自動運転ではありません。
だから人間側には、少しだけハンドルを握る仕事が残っています。
まず大事なのは、到達地をきちんと設定すること。
何をしたいのか。
どんな状態になれば成功なのか。
何を優先するのか。どこをゴールとするのか。
車のナビと一緒で、ここが曖昧だと行きたい場所に行けない。
プロジェクトでも仕事でも、最初に「どこへ行くのか」をきちんと言葉にしてAIに渡しておくことは、これまで以上に大事になると思っています。
その上で、今はまだ途中のハンドリングが必要です。
わたしがAIを使っていて、実際によく口にしているのは、たぶんこんな言葉です。
「ちがう」
「いや」
「もっと」
「なんで」
「どうやって」
たぶん、今のAIを使う力って、こういうことなんじゃないかと思います。
ひとつひとつ、みていきましょう。
「ちがう」=その見方じゃない。別の角度から見て。
AIは、一度ひとつの方向に話が進むと、その筋道をとても上手に整えてくれます。
しかもこちらに迎合してわたしに心地よい方向だけを示す場合があります。それ、ビジネスでは怖いですよね。
だから、必要なのが「ちがう」と言ってみること。
顧客側から見たらどうなのか。
反対する人から見たらどうなのか。
まったく違う業界ならどう考えるのか。
そもそも問題の置き方を変えたらどうなるのか。
AIのすごいところは、視点を一瞬で移動できることでもあります。
だから、出てきた答えの中だけで改善を続けるのではなく、ときどき人間がハンドルを切る。
「その見方じゃない。別の角度から見て。」ときには「わたしに忖度なく違う視点を示して。」
ここだけの話…心配性なので、わたしはAIにこんな質問もします。
「失敗するとしたらどこ?」
「違う視点で最悪な未来も教えて」
自分が見たいものだけを見ないためにも、「ちがう」は大事な言葉だと思っています。
「いや」=正しくても、わたしはそっちに行きたくない。
AIは、合理的に見える、一般的に妥当そうな答えを出してくれる。
でも、それが自分の行きたい方向とは限らない。
「たしかに正しい。でもわたしはそれをやりたくない」
「その方が売れそう。でも、そういう見せ方はしたくない」
「効率はいい。でも、わたしはそっちを選ばない」
そういう判断は、少なくとも今は人間側にある。
AIが最適解を出してくれるほど、むしろ人間には「何を選ばないか」を決める力が必要になる。
「いや」は、正解を否定する言葉ではなく、自分の進みたい方向を守るための言葉。
そしてそれは、今磨くべき人間のスキルでもあると思っています。
「もっと」=AIと人間を擦り合わせるために深掘る
AIの答えは、最初からかなりよくできています。だから、そこで「なるほど」と終わってしまいやすい。
でも、もう一度、「もっと」と言ってみる。
もっと具体的に。
もっと大胆に。
もっと深く。
もっと違うものを。
もっとわたしらしく。
ここで大事なのは、AIの答えが浅いから「もっと」と言うのではない、ということです。むしろ、AIの答えが整っているからこそ、人間側の伝え漏れに気づきにくい。
前提条件を伝えていなかった。
本当の意図を言葉にできていなかった。
自分では当然だと思っていたことを、AIには共有していなかった。
そんなことは、普通にあります。AIは、与えられた情報をもとに、とても上手に答えてくれる。だからこそ、前提がズレていても、きれいな答えが返ってきてしまう。2回、3回とやりとりを重ねるうちに、
「あ、そこを違って理解していたんだ」
「わたしがそこを伝えていなかったんだ」
と気づく。
「もっと」は、AIにより良い答えを出してもらうためだけではなく、AIと人間の認識を擦り合わせるための言葉です。
「なんで」=人間の頭もついでに賢くする
子供ってよく「なんで?」って聞きますよね、あれをやるって話です。
AIは知っていることも、わたしたちは知らない。でも長い間大人って「なんで」を押し殺してきたので、無意識に聞くのをやめちゃうんですよね。うざいくらい「なんで?」って言ったってAIは怒らない。
「なんで」をもう引っ込める必要なんてない。
「なんで、その前提なの?」
「なんで、それがいいの?」
「なんで、それを推すの?」
「なんでその言葉になるの?」
小さなことでも「なんで?」と聞いてみる。
そしてそれを知ると、また次の「なんで?」が生まれる。好奇心って、知識が増えるほど広がっていくものだと思います。
この先の自分を成長させる意味でも、仕事をスムーズにする意味でも、「なんで」の癖をつけましょう。子供になって!
「どうやって」=知ったところで終わらない。現実まで落とす。
AIと話していると、たくさんのことが分かります。
問題も整理できる、戦略も考えられる。未来の予測もできる、何をすべきかも見えてくる。
でも、それだけでは現実は何も変わっていません。
そこで必要なのが、「で、どうやってやる?」です。
誰に連絡する?
何をつくる?
いくらかかる?
今日できることは?
最初の一歩は?
知識やアイデアを、実際に動ける大きさまで落としていく。
AIとの会話を「勉強」で終わらせず、現実につなげるための言葉です。
最後の一言は、人間の仕事「じゃあ、やろう」
「ちがう」「いや」「もっと」「なんで」「どうやって」
ここまでAIを乗りこなしてきたら、人間の番です。こう、口に出してください。
「じゃあ、やろう」
AIは、どうすればいいかを考えてくれる。やることを分解してくれる。
リスクも教えてくれる。必要なら文章もつくってくれる。
でも、実際にメールを送るのは人間です。
公開する。
頼む。
買う。
売る。
会いに行く。
始める。
そこまでやらなければ、現実は何も変わらない。
AIとの会話は、それだけでは仕事を終わらせてくれない。
考えることも、調べることも、整理することも、全部途中の仕事です。
最後に人間が動く。
そこまで行って、やっと仕事になる。
AIがもっと進化すれば、ここも少しずつ自動化されるのかもしれません。
それでも現時点ではまだ最後にアクセルを踏むのは人間です。
そして、一度アクセルを踏んだら終わりではない。
AIが仕事の速度を上げるほど、次の判断、次の判断、と、これまで以上の速さで選択を迫られるようになります。
そのとき、すべてを100%まで考えてから動くことが良いのか?
どこまで考え、どこで決め、どこで走り出すのか。
次回は、その話を書いてみたいと思います。
第3回「80%で動く。AI時代の仕事のスピード感」です。
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しゃちょう
あさこ
企画からデザイン、イラスト、ライティング、レザークラフトなどとにかくなんでもできる。お菓子もつくるよ。
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