AIに仕事を奪われる論争に、終止符を打とう|AI時代の地平線1

あさこ

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カルチャー

動き出してみたら、わかってきた。
仕事の中心にAIがあるって、どういうことなのか。

AIがここまで騒がれる少し前、2023年1月から、Bit BeansはAIを会社の中に取り入れてきました。
今では、全員がアプリをつくれるくらいには活用できています。
でも最近、こう思うんです。
AI時代に本当に変えなくてはいけないのは、仕事のやり方だけではなく、自分が自分に抱いている自己認識である、と。

これは、AIの使い方の話ではなく、これからの世界をどう見るかという話。
全4回に分けて、そんな話を書いてみたいと思います。

専門技能だけで差をつけるのは難しくなっている

今後AIによって、デザイナーやエンジニアが仕事を奪われる。
残念ながらこれは、本当だと思います。

「そうはいってもデザイナーは必要」
「そうはいってもエンジニアは必要」

と言う人はいるでしょう。もちろん、それも間違ってはいないし、その通りだと思う。
でも、昨年あたりからものすごいスピードで、デザインができることや、コードが書けること自体の希少性は下がっている。
デザイナーなら、ただきれいにデザインできるというだけでは、この先は厳しくなるだろうし、エンジニアも、「コードが書ける」ということだけでは、これまでほど大きな価値にはならなくなる。
もう、そこは誤魔化せないんじゃないかな。

それを考えると、暗澹たる気持ちになる?
…正直、わたしはなりました。
WEB制作会社を経営する者として、これからどうやって雇用を守ったらいいのだろう、と苦しんだ。

でも、あるとき気づいた。

仕事は、奪われるだけでなく開かれてもいる

そう、仕事を奪われるのは、デザイナーやエンジニアだけではないのです。
IMFの推計では、先進国では実に約6割の仕事がAIの影響を受けるのだそう。これは「6割の仕事がAIによって大きく変わる可能性がある」という数字なのだけど、それだけではなくて、多くの仕事の参入障壁が、反対側からも下がっているということでもあります。まだそこまで大きな声では言われていないけれど。

つまり今まで専門家でなければ、触れることすら難しかった仕事に、AIがあることで、やる気さえあれば入っていけるようになった。
たとえば、

簡単なアプリをつくる。
広告の戦略を考える。
契約書の論点を洗い出す。
知らない業界を短時間で理解する。
大量の資料から、自分に必要な情報を抜き出す。
自分とは反対の立場から、自分の考えを検証する。
ブランディングをする。
海外の会社と取引を始める。
などなど

もちろん、本当に専門家が必要なところは、専門家に頼むべきでしょう。
でも、以前なら
「これは自分の領域ではない」と入口で諦めていたことに、自分で入っていけるようになった。
編集者、リサーチャー、アナリスト、家庭教師、コンサルタント…みたいな知的な役割を、ひとりの人が必要なときだけ呼び出せるようになりました。

AIによって仕事は奪われている。
でも同時に、仕事は、ものすごい勢いで開かれてもいる。
誰かの専門だったものが、自分にも触れられるものになっています。

変えるべきは職業観ではなく自己認識

AI時代、職業に縛られるなんてナンセンス、と、わたしも気づいていたつもりだった。
「これからは職種を超えなくてはいけない」なんて、自分でも人に話してもいました。
でもどこか、デザイナーはエンジニアにもなれる、ディレクターとデザイナーの差がなくなるとか、今の事業の中での役割を考えていた気がします。

実際に動いてみたら、ああ、わたしは全然分かっていなかったんだな、と気づかされた。
そもそも、「職業を超える」ということではなかった。

「やりたい」があって、AIと一緒に進んでいくと、職業を意識しなくなる。
自分がデザイナーなのか。エンジニアなのか。
WEB制作会社なのか…その代表であるということすら、だんだんどうでもよくなってくる。

「わたしは何者なんだろう」という問いが、すすすっと、
「わたしは何が好きなんだろう」「どこへ行きたいんだろう」
という問いに変わっていく。

「あなたは何ができる人ですか」より、
「あなたは何が好きですか」「どこへ行きたいですか」
と聞く方が、その人のことをよく表す時代になるのかもしれない、という予感がしてならない。
わたしも、自分の自己紹介をするとしたら、肩書きより、「ここに行きたい人」と言いたい、そんな気持ち。

「やりたい」を起点に商売をする

本来仕事は、食べていくためにするもの。その種類は生存という意味では大きな問題ではありません。
わたしたちは、生きていくために何かの価値をつくって、誰かと交換していく。それを仕事と呼ぶなら、AI時代には、
「わたしは何の職業なのか」ではなく、
「わたしは何をやりたいのか」から始まるのかもしれません。

AIに仕事を奪われるか?
─たぶん、奪われる仕事はたくさんあるでしょう。
でも、それだけを見ていると、反対側で起きていることを見落としてしまいます。同時に、今まで自分にはできないと思っていた商売も、自分に向かって開かれている。

だから視点を広く持ってみたい。
自分たちがこれからも、価値をつくっていけること。
AIとともに商売をするって、どういうことなのか?

そして考えるだけでなく、身をもって体験することが大切。
動くと得られる経験、そしてそこから見えることは、動き始めてみると思っていた以上にたくさんありました。

AIを使う力って、何なのか。人はどう働くようになるのか。人や会社の意味はどう変わるのか。
今感じている変化を、これから記事で書いてみたいと思います。

第2回はAIに対しての認識合わせを。「AIを使う力は、ドライビングテクニック」です。

あさこ

しゃちょう

あさこ

企画からデザイン、イラスト、ライティング、レザークラフトなどとにかくなんでもできる。お菓子もつくるよ。

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