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こんにちは。この春に新卒でディレクターとして入社したハラダです。期待と不安を胸に入社してから、気がつけば2ヶ月。会社はいい人ばかりですが、まだディレクターの仕事に慣れず壁に当たることも多いです。
そんな新人の私が今回、やってみて分かった
- 新人Webディレクターの仕事
- ディレクター職に必要だと感じた力
- 入社して感じたギャップや学び
など、(入社からたったの2ヶ月ではありますが)今の率直な気持ちを綴っていきます。
Webディレクターを目指す学生の方や、新しい環境で頑張る同世代の方々に「ディレクターってこんな仕事なんだ」ということをお届けできたら嬉しいです!
目次
自己紹介
ということで、改めまして自己紹介をさせてください。私は東京生まれ東京育ちの23歳です。好きなものは可愛いイラスト。イラストレーターさんの絵を見るのも大好きで、時々は自分で一次・二次創作絵を描いたりもします。出身校ですが、実はデザイン系の専門学校でした。専攻はポスターやパッケージデザインなど、グラフィックデザインが中心です。
「え、デザイナーじゃなくてディレクター職なんだ」と思われた方もいるかもしれません。実は私自身も初めはそう思いました。しかし、授業でWebサイトのデザインをすることになり、構成案やコードを作って……と挑戦するうちに面白いなと感じるようになりました。特にchatGPTがコードを書いてくれるようになってからは、次はどんなサイトを作ってみようかとワクワクしました。
私が思うWebサイトの面白さは次の3つです。
1.表現が豊か
SANKOU!というサイトには学生時代、非常にお世話になったのですが、こちらを覗いてみてください。
サムネイルだけでも、どのサイトも魅力的でクリックしたくなりますよね。入ってみれば、今度はデジタルならではの動きや演出があったり、表現方法が幅広いのがなんとも魅力的です。
ちなみに弊社 Bit Beans もSANKOU! サイトで掲載されたことがありますので、よければ探してみてください!

2.情報設計の面白さ
サイトトップに代表される見た目のインパクトもさることながら、Webサイトは情報を整理して格納する役割も担っています。ユーザーにとって大事な情報をどの順番で伝えるか、どのようにページをつなぐか。まるでパズルのように組み立てる工程が、とても楽しいと感じました。
3.進化する表現方法
HTMLやCSSといったコードの進化はもちろん、プラグインやAPI、Studio・Figmaなどの制作ツール、さらにはAIの登場など、Web制作の表現はどんどん広がり続けています。 変化の激しいこの業界だからこそ、常に新しい挑戦ができるのが魅力です。そんなことを感じていたこともあり、ディレクターとして入社しないか打診があった時に、思い切って挑戦を決めました。
新人ディレクターってどんなことをするの? – 仕事内容

入社したはいいものの、WEBディレクターってどんな仕事をするんだろう…。そんなふうに多くの方が感じるのではないでしょうか。
例えばデザイナーならバナーやサイトのデザイン、コーディングならフロントやサーバー側のデータ管理など、なんとなくの仕事のイメージがつきやすいですよね。しかし、ディレクターとなると、「進行管理をする」「お客さまやチームと調整をする」といった断片的な理解しかなく、実際にどこまでが自分の担当なのか、イメージしづらい職種でもあると思います。 私自身も、正直に言えば、入社するまでぼんやりとしか分かっていませんでした。
そこで、私が入社してからどんな流れで仕事を覚えていったのかを、簡単にご紹介したいと思います。
1ヶ月目:右も左も……な初月
最初の1ヶ月は、とにかく仕事に慣れ、学ぶことに集中する期間でした。
Bit Beans の場合はOJTとして先輩が1人ついてくださり、その方の指示のもとでいくつかの案件に参加する形で始まります。プロジェクトの進行に沿って資料を準備したり、デザイナーさんとのやりとりを体験させてもらったりと、徐々に仕事の全体像が見えてくるようになりました。
Figmaなどのツールには慣れていましたが、業務の中でどのように使うかは新たに学ぶことばかりでした。
実際に担当したのは、例えば次のような業務です。
- ワイヤーフレームの修正
- 構成案の作成
- 資料作成
- 議事録制作
- 社内データベースへの入力作業
- 電話対応など
中でも苦労したのは、ビジネスマナーや言葉遣いです。 私の場合、学生時代に意識する機会が少なかったので咄嗟に出てきづらいところがあったからです。
そのことを特に強く感じたのが、社外の方との電話対応です。
幸い、弊社にかかってくる電話の多くは営業のご連絡だったため、比較的プレッシャーは少なかったかもしれません。 それでも、電話に慣れておらず緊張してしまったり、すぐに正しい敬語が出てこなかったりと、私も多くの新入社員と同じように苦戦しました。
また、新入社員として他の社員の方々の名前と顔を覚えるために、雑談をすることもあります。相手は皆先輩ですから、丁寧に接したいところ。ですが、言葉選びや態度といった部分がとっさに出てこないことも多いです。丁寧でその場所や相手にあった言葉遣いや、心配りなどは、普段から意識しないと身につかない部分だと痛感しています。
2ヶ月目:実際の案件に関わらせていただいて進行を体験!
2ヶ月目に入った時に、とある案件の以下のような仕事を一部担当しました。
- 進行管理
- メールのやり取り
- その他1ヶ月目から引き続きの仕事(電話応対、ワイヤーフレーム修正などなど)
あれ、1ヶ月目に比べて仕事が減った? そう思われる方もいらっしゃるでしょうか。ここがディレクター職の大変なところだと私は思います。
最初に書いた「進行管理」。これが慣れないうちは超大変でした(今も慣れたわけではありませんが…)。何がそんなに大変なのかというと、まず「進行管理」という言葉の中に含まれる仕事の幅が、とにかく広いという点です。
- 依頼された作業内容の確認
- 担当者が進めた内容のチェック
- 対応できていない場合は、その理由や状況のヒアリング
- お客様よりお戻しいただいた内容の確認 など…
これら一つひとつに、確認や判断、調整が必要になります。これこそがディレクターの大きな仕事である「要件定義」になります。また、ディレクターは「これをやって」と指示されることはありません。 状況に応じて必要だと感じたら資料を作ったり、タスク管理をしたり自発的に動くことが必要です。
知らない仕事がたくさんある…!! と、最初は目の前の仕事に対応することで精一杯でした。誰かに教えてもらうというよりも、自分で実際にやって知る仕事だと実感した瞬間でもあります。
具体例:サイト更新
ふわっとした話だけでは分かりづらいかと思いますので、ここからは少し具体的なお話をしてみましょう。
とあるサイト更新の進行管理をすることになり、お客さまから送られたPDFを見て「この部分を修正すればいいのか」と理解し、作業の指示を出しました。ところが実際に作業を進めると、次のような小さな問題が頻繁に発生します。画像が不足している、既存の画像が使用不可になっている、支給されたテキストをそのまま差し替えると違和感が出るなどです。
そして、それぞれの問題に対しての判断を下すのがディレクターの仕事です。たとえば、画像が不足している場合は、デザイナーさんに作成をお願いする、内容にわからないところがあれば、お客さまに確認する(あるいは、内容が不明瞭なら、お客さまにご確認いただく)、該当箇所をメモに残し、場合によっては自身で整合性のある文章に修正する、といったものです。
さらに、コーダーさんに仕事をお願いする前にも気を配りたいところ。テキストだけだと分かりづらい場合はスクショを使ったり、細かな文章の違和感など作業で手が止まりそうな場所がないか、事前にチェックしたりしておきたいですね。そんな先読み力も、進行管理には欠かせないと思います。事前に細かくチェックしなくても最終的にページが問題なく更新されていれば結果としては良いかもしれませんが、やたらと修正依頼を繰り返せば、作業者の方にとっては負担になりますよね。「一緒に仕事をする相手への気遣い」も、ディレクターの仕事の一つだと感じました。スマートにできるようになりたい部分です。こうした小さなことを確実に積み上げることで、プロジェクト全体がスムーズに進むのだと感じました。
こういったことがあり、ディレクションをする立場は、一度に把握しなければならない情報の量が一気に膨れ上がったように感じました。 最初は長く考え込んでしまったり、進行中に先輩へ何度も確認してしまったり……「自分って仕事ができないのでは?」と不安になることも多々ありました。正直に言えば、どこかにまだ“学生気分”が残っていたのかもしれません。学生であれば、課題は明示され、不明点があれば先生に聞けばよく、最悪間に合わなくてもグレードが多少下がる程度で済むこともあります。 ただ、社会ではそうはいきません。クオリティを落とすことはできません。どんな状況でも対応できるようにしておかなければならないのです。そのために、要件定義と細かなチェックが欠かせないことを痛感しました。
それでも、自分一人の判断では心許ないこと、どうしても見落としてしまうこともあります。そういう時は素直に周りに頼る力も重要ですね。ディレクター職をしていると、そういった総合的な「ディレクション力」の成長がまだまだだな、と感じさせられることが多いです。
ディレクター職に必要な力とは?
ここでは、私がこの2ヶ月で感じた「ディレクション力」に必要なスキルを、いくつかに分けて掘り下げてご紹介します。 あくまで駆け出しディレクターとしての視点ではありますが、少しでも参考になれば幸いです。
マナー
超!大事です。マナーと言っても杓子定規に「この時はこんな対応をする」と決めるものではなく、とっさに出る言葉遣いだったり振る舞いにかかってくる部分ですね。ディレクターは基本的に、誰かに作業をお願いする立場にあります。 そのため、社内の人間関係で角が立たないようにする気配りは、チーム全体の雰囲気や仕事の進行に直結します。
また、お客さま対応においてもマナーは会社の信頼感に関わる要素ですし、何よりも一緒に仕事をしてくださる方々への敬意は常に持っていたいですよね。
言語化能力
こちらは特に業務内容に関わってくる部分です。仕事の目的を達成するためにどんな作業が必要で、どんなふうに解決につながるのか。これを話せないと作業者の方も、お客さまもどうすればいいのかが分かりづらいですよね。また、この力が低いと、メールや社内チャットを送るにも時間がかかり、結果的に進行が滞ってしまいます。 “わかりやすく、簡潔に、丁寧に伝える”というスキルは、日々の積み重ねが大切だと感じています。
判断力
日々の業務の中では、大小様々な判断を常に迫られ、適切に対処していく必要があります。言うのは簡単ですが、いざやるとなると迷ってしまったり、状況によっては確認に時間がかかってしまったり、さまざまな状況との組み合わせで最適な判断が変わります。特にまだ駆け出しのうちは何が正しくて、どんな判断がどんな結果につながるかといった部分が想像しきれなかったりします。将来的には慣れていく部分もあると思いますが、きっとディレクターという仕事を続ける限り、こうした判断の難しさと付き合い続けていくのだろうなと思います。
タスクの管理能力
ディレクターの仕事は、明確に「これを必ずやらなければいけない」というタスクが決まっているわけではありません。
進行管理、確認作業、やり取り、資料作成など、あらゆる業務が同時並行で発生します。
その中で、優先順位をつけて、何をやっていて何が未対応なのかをきちんと把握し、整理し続ける必要があります。
どんなツールを使っても良いと思いますが、私の場合は、手帳やリマインダー、スプレッドシートなどを使ってタスク管理をしています。
入社前と後での仕事に対するギャップ
仕事って大変だな…と感じていますが、正直なところ、入社前との大きなギャップはあまり感じていません。元々デザイナー志望ではありましたが、実際、こういったディレクションのようなことを全くしたことがないかというと、そうでもないかなと思います。皆さんも例えば学生時代、こんな経験をしたことはありませんか?
- 部活の試合や発表会の準備
- 友人との遊びのスケジュール調整
- グループワークでの役割分担
- 自主的な勉強計画や課題管理
その中で、こんなトラブルがあったから次はこうしよう、とか皆が大変そうだからちょっと私も手伝おう、今起きている問題を考えてみよう、事前に調べ物をしておこう、とか考えたりもしますよね。ディレクター職はそういった「気遣い」の延長線上にある仕事だと思います。もちろん、仕事として求められるレベルは高くなりますが、誰にでもベースはあるはずです。難しいこと、悩むことはたくさんあると思いますが、私も一緒に頑張っていきたいなと思います。
感想とまとめ

「新卒ディレクターが感じた“リアルな仕事”の話」いかがでしたでしょうか?
初めはこれからディレクターを目指す方を対象に書き始めましたが、書いているうちに自分のことを省みることもできました。「ここを直したい」「もっと成長させたい」――そんな前向きな気づきにもつながったと思います。もっとも、もしかするとこのブログも1年後には「うわ、若いなあ…」なんて思ってしまう“黒歴史”になる可能性もありますね。
さて、せっかくブログを書いたところなので、ここで一つ目標を立ててみようと思います。私の目標は「先回りできるディレクターになる」こと。お客さまへの確認の回数は少なくスマートにするほど双方への負担が小さくなります。また、先を見越して動けることで、お客さまやチームへの信頼にもつながると感じています。 少しだけ正直に言えば、「事前に気を回せていれば、多少のミスも許してもらえるかも…」という淡い期待や打算もあります(笑)。どれくらい先になるかはわかりませんが、できれば一年後にはある程度の余裕を持って、状況を先取りしながら動ける自分でありたいなと思っています。 その先の未来については、今のところは保留とさせてください。
というわけで、このブログを読む、ディレクター職を目指す方、目指さない方、それぞれになにかの気付きをお届けできていたら嬉しいです。同じくディレクターになった方も、これからディレクターを目指す方も、周りの人々へのリスペクトと気遣いを忘れずに頑張っていきたいですね。以上、今回のブログでした。
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ディレクター
ハラダ
紅茶とポップなイラスト・グラフィック表現が大好き。
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