AIが読む情報、人が感じる気配——WEBサイトに求められる新しい設計 

あさこ

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こんにちは、社長のあさこです。
さてさて、AI。ものすごい勢いで進化していますね。仕事に求められる精度も数ヶ月でずいぶん変わっちゃったように感じられるし、自分自身の利用頻度を考えてみても、もうなかった頃のことは思い出せないくらいに…勢いよく流れているのを感じます。
時も、意識も、情報も。

そのジェットコースターみたいな流れの中にあって、目を瞑っちゃうとどこに流されるかわからない、わけで。だからここらでちょっと目を開いてみましょう、という記事です。

世の中の「助けて!AIで完結してサイトに来ない。今WEBサイトって必要なの?」という声に向けて、またまだ言葉にすらなっていないけれど、薄々気がついているだろうあなたへ向けて。
今この瞬間のWEBサイトの意味についてお伝えしたいと思います。

まず結論から言います。

WEBサイト、今まで以上に必要です。
でも、AIに向けたもの、人間に向けたものを意識して分けて考えましょう。

まず現在の視点合わせを。AIが暮らしに入り込んでいる

みなさんは暮らしの中でどのくらいAIを利用していますか?メディアリーチが6月3日に実施した「生成AIによる商品・サービス・企業の探索・比較行動」に関する調査によると、週に1度は生成AIサービスを使う人が全体の36.2%。また全体の21.3%が商品・サービス・企業の検索や比較にAIを利用しているのだとか。

この靴が安く売ってるのだけど、私の求めているタイプだと思う?と聞いたり、子供におすすめの本を探すときだって、AIチャットが教えてくれる。
シミが気になってきたからちょっとなんとかできないか、と思えばAIに「新宿で評判の良い美容皮膚科は?」って聞いて。

…商品やサービスの検索だけではありません。
冷蔵庫にやけにじゃがいもが増えてしまった今日つくる夕飯のレシピも、最近後期高齢犬になった犬が寝てばかりいる理由も、買い物欲に拍車がかかっている私の人生設計まで、AIは暮らしのパートナーさながら人からの問いかけを受け止めている。

もう、なんでもAIに聞いてしまう時代が来ていると思うし、そういう行動は今も加速度的に増えている最中でしょう。

AIに向けた情報発信と、人に向けた情報発信

そんな時代にあって、WEBサイトの意味ってあるのかなって思いますよね。
AIに聞く人が増えるほど、サイトに来る人は少なくなる。それは真実です。
以前のKPIに来訪者数を設定していたWEB担当者は多いと思いますが、それが意味をなさなくなってきたことは、きっともう気づいていらっしゃいますね。

(1)AIに向けた情報発信をする

けれど、AIが学習・参照するデータはWEB上の公開情報が多く、サイトに情報がなければそもそも拾われることがないわけです。サイトというより商品やその情報は、むしろAI経由でのファーストコンタクトが増えているとも言えます。

なので、サイトへの来訪を促すよりも、AIに引用されやすく、正しく、構造的にわかりやすい情報を載せる意義がとても大きくなります。
目的はサイトに来てもらうことじゃない、商品(やサービス)が売れることなのだから。
サイトを作る時にはAIに読んでもらう工夫が大切になります。

(2)人に向けた情報発信をする

AIで出てきた情報で納得してしまう場合もあるでしょう。
けれど、必ずその中にはAIがきっかけであるものの公式サイト確認したくなる行動パターンが存在します。

インターネットリテラシーという言葉がありますが、AIにもリテラシーがあって、その最たるところがファクトチェック。嘘つきがちなAIの嘘を見抜く力があればあるほど、ユーザーは情報の真偽を公式情報で確かめます。だから今、公式情報の整備は「守り」でもあり「攻め」でもある。
今後リテラシーが上がるほど公式情報の重要性が高くなってくる。
そして、サイトに来て確認するのは、詳細情報や最新情報、そして価格の確認やその口コミなど。
その時の見た目や内容など「ユーザーの体験の質」が、問われます。
これが、人に向けた発信です。

サイト種別ごとの必要な意義

とはいえサイトの意味は一律では語れません。ここでは一部ではありますが、サイトの種類ごとにAIに向けて発信すべき内容と、人に向けて発信する内容をまとめてみます。

■ コーポレートサイト

AI向け:企業概要/沿革/公式な実績/代表メッセージ/ポリシーなどはAIに引用されるケースが多くなるでしょう。精度の高い情報の裏付けとしてしっかりと情報掲載したいところです。

人向け:ブランドトーン、代表の言葉、企業文化やビジョンなど。これらは人が目で確かめたい部分です。共感や信頼を得るために、UX(ユーザー体験)を意識して構築しましょう。

■ ブランドサイト

AI向け:商品情報/サービスの特徴/強みなどがAIに学習され、ユーザーが比較する時に引用されて出てくるようになります。

人向け:ブランドの世界観/体験価値/ビジュアル的な没入感、これらは人に向けてそのブランドのファン化や選択の後押しになるもの。しっかりと人の目を意識して作り込みたいですね。

■ ランディングページ

AI向け:SEOを意識して作られることの多いLPですが、 キャンペーン情報や最新サービスのページがAIで引用/検索に出てくることになります。時限性の高い情報は、正しく最新情報を保つよう意識しましょう。

人向け:明快な訴求+安心感+CTA設計。直感と安心感で購入(コンバージョン)にまで持っていきたいですね。なお、個人的にはSNSなどで流れている情報も真偽を確かめるべくLPへと辿り着くケースも多いと感じます。その場合にどんな体験ができるかは設計しておきたい部分です。

■ オウンドメディア

AI向け:ナレッジ・ノウハウ・事例記事などがAIの学習データとして重要になります。AIの学習データとして価値が高いということはAIにとってのサイトの評価も高くなるのでは?と個人的に思います。

人向け:一定数は元記事を辿ることを考えれば、その役立つコンテンツを通じてブランドへの信頼・親近感を育てることになります。コミュニティ化・ファン育成にも貢献します。

人に向けた記事を考えるときに気にしたいこと

そしてもうひとつ。少しレイヤーの違うお話をしますが、人に向けたコンテンツを作るときに意識したいことについて。
みなさんは、AIと向き合っていて、ちょっと何かが足りないという気持ちになったことはありませんか?
人は生命のない存在との対話が続くことによって、むしろ生命的なもの(犬、家族、友人、ぬくもり、触れるもの)への希求が高まるのではないか、という仮説があります。

AIやデジタルに接している時間が増えた今、価値のパラダイムシフトが起きていて、今まで以上に人間味のあるものや、人のぬくもりのようなものが重みを増している。
私も先日、AIだけと向き合って会話をしていたら、ふとそこにいるペットの犬の気配に(犬はAIとは真逆に、言葉は理解しないけれど感情には寄り添ってくれる)、なんだかじんわりとしたものが込み上げてくるのを感じました。

文章もデザインもイラストも、AIがつくるものはそれはそれでいいのだけど、やっぱり何かが足りない気がしてしまうし、WEBを来訪するユーザーの心理としても、「人の気配を感じる会社・ブランド」に惹かれる、信頼したくなる、側面があるのではないか。

だからこそ今、企業のWEBサイトにも、単なる情報ではなく「生きたブランド」としての気配を届けることがとても大切になっています。
顔の見えるストーリー、思いの込められたコンテンツ、そこに人の気配が宿っていること。
それはAI時代の今だからこそ、以前にも増して大きな価値を持っているのではないでしょうか。

WEBサイトは今まで以上に必要に!
ウェットに、いこう。

WEBサイトは、今まで以上に重要な存在になっています。
AIに読まれること、人に伝えること——この両輪を意識して設計することが、これからのWEBサイトづくりには欠かせません。

AIに向けては、正しい情報が適切に届けられるように整えること。
人に向けては、言葉にならない安心感や、共感できるストーリー、ブランドとしての存在感をしっかりと伝えていくこと。

Bit Beansは、「ウエットに、いこう。」という哲学のもと、人に響くWEBサイトづくりを大切にしています。AIの時代だからこそ、画面の向こうにいる「ひと」と真摯に向き合えるWEBサイトを一緒につくっていきましょう。

あさこ

しゃちょう

あさこ

企画からデザイン、イラスト、ライティング、レザークラフトなどとにかくなんでもできる。お菓子もつくるよ。

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