社員ブログ
今年20期を迎えた株式会社シプー。ほぼ同時期に生まれたBit Beansとシプーは20年来の付き合いがあります。
シプーはもともと代理店グループ会社出身者が集って生まれた企業。主にWEBサイト制作のディレクションを担い、数多くの大手企業のWEBサイトやブランドページを世に送り出してきました。
そのシプーに映像チームが生まれたのは9年ほど前。スマートフォンで動画を見られるようになった時代に「WEBにおいても動画に携わる仕事が増えるだろう」という思惑があった、とシプーオオタさんは語ります。
いま、猛烈なスピードで浸透していくAI動画の時代をふまえ、WEBサイトで映像を扱うことの意味は大きく変化しています。多くの人が答えを模索している今、映像制作の現場に立つ人間は何を見つめ、何を感じているのでしょうか。
前編・後編に分けてお伝えする本対談。前編では「企業サイトにこそ、リアルな映像が必要な理由」について語ります。
<対談メンバー:写真左から>
Bit Beans ディレクター 百田、シプー 映像ディレクター岸田さん、オオタさん、そしてBit Beans代表 出村の4人。
インタビュー敬称略。
目次
映像がWEBサイトにもたらすものは何か。
多くのWEBサイトでは、イメージ動画やYouTubeの埋め込み動画など、さまざまな形で映像が使われています。
とはいえ、WEBサイト向けに制作される映像の種類は、実はある程度パターンが限られています。商品の使い方を説明する動画、ブランドイメージを補強する動画、経営者や社員へのインタビュー、あるいは工場や現場の様子を紹介するドキュメンタリー的な映像。
用途は違っても、いずれも「何かを伝える」ために存在しています。では、そもそも多くのWEBサイトに映像が必要とされる理由は、どこにあるのでしょうか。
出村
お二人は映像クリエイターとして、それぞれの担当領域や得意な分野などあるんですか?
オオタ
WEBサイトで扱う動画は、さまざまなジャンルをやらせてもらっていますね。人数も多い訳じゃないですから、制作も撮影から編集までワンストップで行っています。
ただ好きなことで言えば実写の撮影。ロケに行くとか、自分の目で観たものから作り上げるのが得意だと思います。

百田
そういえば以前、伊豆にも行ってもらいましたよね。その時は、ドローン撮影をお願いしたんですよね。高額な機械を操作してWEBサイトのトップに流す映像を撮ってもらって。
オオタ
行きましたねぇ。機材に関してはここにいる岸田が詳しいんですよ。やっぱりそれぞれ得意なジャンルというのもあって、技術的なことは岸田が担当することも多くあります。
出村
WEBサイトの中で映像が使われる理由ですけど、そもそも映像は圧倒的に情報量が多いっていう利点がありますよね。文章だけでは伝えきれないことを映像で撮ったり。
それに言語が違っても映像であれば同じ感覚で感動できるという良さもありますし、記録という意味でも必要なもので、担える領域がとても広い。
岸田
そう思います。

百田
WEB制作の費用感の中では、どうしても他を優先してしまって映像手配が難しいことは多いかもしれませんが、映像が入ることでサイトの質が上がって見えたり、説得性が増すケースは多いと思います。
出村
そうですね。もちろんあればいいわけではなく、クオリティにもこだわっていかないとなんですが。そのあたりは、映像チームとWEB制作チームで、密に連携とっていかないといけない部分ですよね。
いつもクオリティの高い映像を制作するシプーさんにとって、クオリティってなんですか?
岸田
クオリティは…私の中では、時間のかけ方じゃないかなって思います。
作っている以上、もっともっとって思ってしまうので「完成」の見極めは難しい部分があって(笑)、時間があればあるほど、突き詰めて良いものは作れると思う。
オオタ
クオリティを追求するのは絶対やるべきことなんだけど、ついついクリエイターとしては自分の中に没頭してしまうということもあるから、やっぱり、クライアントとの密なコミュニケーションが、良いものを生むと思いますね。
そして、時にはクオリティよりも「大衆が求めるもの」を知る視点も大切ですよね。

大衆と個人の求めるストーリーは違う。
これまで表現の世界では、いかにして美しいものを切り取り、ひとの感動を呼ぶものをつくるか。ということにしのぎを削ってきた印象があります。けれどそれは、実はAIの得意領域であり、巷には引力のあるAI生成動画が溢れるようになりました。
オオタ
我々も生成AIを使うことはあります。AIでできるところは使っていい付き合いをしたら良いかなと思っている。
リアルな動画で言うと、人を撮るとき、表情・話している間・声のトーンとかは実写でないと伝えられないですよね。あと例えば、素早く移動する方法はたくさんあるのに、なぜ生身の人間が走る100m走が面白いのか…そこには人間の可能性やドラマがあるから。人が走る映像はAIでも作れるけど、それって実写でないと意味ないよね?というのと似ている。
出村
リアルな良さって確実にありますよね。
もしかしたら今後、フィクションの世界は、AIが担う側面もあるのかもしれない。でも「誰かの記憶」に関するもの、それだけは人間が撮る必要性が残るんじゃないかなと思います。

オオタ
実は今、我々は身近なひとのドキュメンタリーを残そうというプロジェクトを進めているんですが、その過程で私の父の映像を撮影したんです。(撮影作品はこのページ下でも紹介)
腰を据えてじっくり父の話を聞くことは、今までなかったから、とてもいい記録になった。他の人にとってはそれほど意味のない話であっても、父から家族のルーツの話や父自身が若い頃何を考えてきたかをインタビューで記録する…それはAIに取って代わることのできない映像の価値そのものだと思っています。
企業のWeb担当者に「それはリアルでないとダメ」という係でありたい。
例えば企業サイトをつくるとき、その目的はお問い合わせ数の増加や、企業のブランド認知などさまざまです。けれど、企業の訴求シーンにAIを利用することには注意は必要です。
出村
仕事での生成AIの利用は、代理店のお仕事でもかなり慎重な姿勢で、規制もされていることも多いですが、今後はどうなんでしょうね。
百田
技術の発展は目覚ましいですから、元となる素材があれば、今後AIで完成度を高めたり、ニュアンスを加えたりはできると思うんですけど、ゼロから1のステップはまず人間が作ったものであってほしい、と思いますね。
コーポレートサイトの中で、例えば社内風景を紹介するページを作るなら、それはAIで作るのではなく、今この瞬間の映像を撮る必要がありますよね。
どんなに近しいものが作れたとしても、AIで作ってはいけないものはあると思う。
オオタ
その通りですね。ブランディングをするならば特にリアルさを追求するべきでしょうね。
出村
たとえば最近のWEBサイト利用の導線として、SNSでアウトプットされた情報の真偽を確かめにコーポレートサイトに訪れる、というケースがあります。
本サイトは真実を確認するメディアになるので、そこはリアルにいかないといけないと思います。
岸田
ただ、動画の仕事で言えば、AIは今も少しは使います。
今後は機器の中にAIが組み込まれていったりするので単純にAIを使わない方がいい、という話ではないと思いますが、AI生成の使いどころには敏感になっていきたいですよね。

出村
そうですね。そこはAIでもいいけど、それはリアルじゃないとだめ、ということをきちんと切り分けて考えていることも、制作のプロとして大切な要素かもしれません。私たちは「ここはAIじゃなくて、リアルでないとダメっていうことを“言う係”」なのかもしれませんね(笑)。
・・・対談は、後編へ続きます。
株式会社シプー ドキュメンタリープロジェクト「LIFE STORY」
オオタ氏監督によるミニドキュメンタリー監督作品(2024)「富山で共に生きる」
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