「WEBデザイナー脱却、デザイナーになろう?!」/社内デザイン勉強会③

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デザイン

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毎週行っている金曜日のデザイン会。今回は、とあるアートディレクターのデザイナー魂をなぞる会でした。

まずはみんなでその方のデザインをいくつも見て、特徴を意識する。そして全く別のデザインデータを、そのアートディレクターのテイストに一斉に変更する会。さあ、そのアートディレクターの魂を我が身に降臨させるのだ!なりきるのだっ!…それによって自分の「こうすべき」「こうせねばならない」というWEBデザインの固定概念を取っ払おうとしたのです。

本物の案件のデータを使いながら練習をしたので、ちょっとこちらではお見せすることができませんが、恒例の30分の中でできたデザインは本当にさまざま!
いい感じにアートディレクターが降臨した人もいれば、降臨の前に自分が全面に出てきた人もいれば、降臨ではなく追いかけた感じの人もいる。
でも感想を聞いていると、いろんな部分で自分がルールとしていることをアートディレクターが打ち破っていることに気づいたみたいでした。

「こんなに詰め詰めの文字と、パラパラの文字を同居させていいの?」
「文字っていうか、フォントじゃなくてすでに絵画をつくるみたいな!」

突飛なことすると実装部隊が困る!?

このプログラムを今回選択したのは、ちょっと前に外部のアートディレクターのつくったデザインを、Bit Beans の実装担当が実装をして、やけにかっこいいサイトが出来上がったのを目にしたのがきっかけです。

―いつだったかこんな会話がありました。
「未だ見ぬ、斬新な、カッコいいデザインをどうして作らないの?」
「なんか突飛なことすると実装部隊が困るかなと思って…」

なるほど確かに、WEBデザイナーとしてはそういう気遣いは必要かもしれません。けれどその気遣いってデザイナーとしては、単なる萎縮になっていやしないか?だって、気付いたら社内実装部隊は社外デザイナーの素敵デザインを意気揚々と作り上げているではないか!
それを、社内のデザイナーがやらないってどういうこと?!

デザイナーとWEBデザイナーは違うものという認識

紙をやってきたデザイナーはいい意味でWEBを知らないから、どんどん斬新なデザインをする。でもWEB制作会社にいて「デザイナーは コーディングをもっと勉強すべきだ」「知らなさすぎる」という言葉に触れていくと、徐々に社内のコーダーに忖度し、コーディングをしやすいデザインを追求していく傾向があるように思う。
そしてWEBデザイナーと呼ばれるころには、なんだかどこかで見たようなデザインばかりを作るようになってしまって。いや、どこかで見たようなサイトも、そのバランスをすてきにつくることも十分に技術力のいることで、もちろんすぐにはできないものなのだけれど…でもどこにでもあるデザインにはたいした付加価値がなく、今後AIがどんどん作れてしまうかもしれなくて。

だから、勝手ではありますが、あらためて言葉にさせてもらいます。デザイナーとWEBデザイナーは違うのだ、と。今いるデザイナーそれぞれが、どちらを目指すのか考えたほうが良いのだと。
そしてWEBデザイナーを目指すなら実装を覚えて自分で実装もしよう。全部じゃなくていいから表現や見た目に関する部分は自分でやったほうがよっぽど調整はしやすい。(※BBデザイナーにはソースコードを一切触らない人が多くいます)
それをしないなら、デザイナーになろう。

デザイナーなら表現に情熱を持とう

多くのWEBデザイナーは、仕事のデザインパートをスムーズにこなすためにいる。
かたや表現者であるデザイナーは、自分が表現全体を牽引するためにいる。表現をする上では、みんなの上に立つ人という自覚がある(自分が描いたものを最後まで貫く。そのためにまず情熱を持って全体像を描く)。
今回のアートディレクターの降臨授業は、WEBデザイナーがデザイナーになるための道の一歩!
今回は社内で「デザイナーとWEBデザイナーは違う」という共通認識ができたから、自分が特化する道をそれぞれ意識していけたらいいですね。

最後にそのアートディレクターの実装をしたYさんへのインタビューを掲載します。コーディングしやすいデザインにすべきっていうのは、デザイナー側の思い込みである部分も多かったのかもしれないですね。

実装Yさん インタビュー

ーーこのADとYさんってどういうやりとりをしてるんですか?例えばADさんが細かく開発実装の指示を出してくるわけではないのですよね?

この方って紙寄りの人っていうか、送ってきたデザインデータを見ても、データがミリでつくられていたり、カラーがCMYKだったりするんです。もちろん画面としてみればWEB実装上不可能なものではないけれど、BBデザイナーのデータとは全然違う。
だからできるかぎりやってみて、難しいことはあとですり合わせて作業するようにしていいます。

ーーこういう斬新なデザインをやる時、実装者はどんな気持ち?

なんとか形にしたいという気持ちはあります。
ただ「できるよね?」と言われるよりも、「できませんかね?」ってできないベースで話されたほうがなんとかしようって気になる。できて当然って感じでくると、できるかなっていう不安がちらついてきて・・・・でもそれは人の性格によるかもしれませんね(笑)

僕に限って言えばそういうのがくると嬉しいです。
なにそれ?!って思うし、なんか、AIデータ送られてきても、ぐしゃぐしゃの線がかかれているだけだったりするのですけど、話を聞いているとADがイメージしているものがわかるし、聞いていると、その実装やってみたいなって単純に思えてきます。

ーーだんだんと相手の思考が見えてくる感じなんですね。

そうですね。最初にもらうデザインは、キービジュアルにぐちゃぐちゃな線があるだけなんです。それに口頭で「ぐしゃぐしゃってなったらふわーんってなる、次にまたぐしゃぐしゃってなったらまたふわーんってなる感じに」って感覚的に話されるんです。
それからいくつか僕の方で試作して、こういうのですか?って送って、ADがそれを見ながらこれに近い、とかってすり合わせて行って。スローな時と速い時、どういうふうなコマ送りで見るとどうなっているのかをADから送ってもらって、だんだんとADの求めているイメージが、お互いにわかってくるかんじ。
その時間を経てつくっています。

ーーBBデザイナーとの違いはありますか?

BBデザイナーは手堅い、堅実って思っている。
データがとにかくきれい。レイヤーとかすごくきれい。画像の名前まで書いてあってコーディングはしやすい。すごい気ぃ使ってもらっているんだなって思うし、そこにかける時間がかかっていて大変そうだなーって思います。名前ひとつひとつつけるとかすごく大変じゃないですか。
本当はデータある程度…例えばミリ設定できたとしても、こちらで別にこういうことなのだろうなって解釈はできるんですね。デザインの要点がわかっていればつくれる。
それよりも、イメージを持つのはデザイナーしかできないことだと思っています。
先の ADは抽象的なことやなんとなく思っているイメージをそのまま出してくるんだけど、なんか、どういうことだろうって最初は戸惑うけれど、それによって考えることができるんです。一生懸命イメージ伝えてくれると、やっぱりそれを理解したいと思います。
開発も開発で表現とか考えなくちゃいけないのかもしれないけれど、やっぱり普段の仕事の中に線をぐちゃぐちゃにするとかしないから、それデザイナーから始めてくれたらありがたい。

ーーそれはデザイナーにも伝えたいですね!

あとデザイナーの思い込みも多いって感じることがある。
PSDの画像効果の乗算はダメとか。過去に「乗算ダメなのですよね?」って言われたことがあるのですが、ぜんぜんダメではなくて、最近はcssでも再現できるようになっている。

――なるほど、表現が先にくるのではなく、できるできないを先に考えちゃうんだね。しかもしれが思い込みだったりするのはもったいないし、ダメかどうか全部覚える必要はない気がするね。

そう思います。そもそも何か表現したいってものがある時に、なにができる、なにができないって考える必要がないと思います。とにかく表現してみたいものを作った上で、そのあと相談してもいいのではって思う。

ーーいい話聞けました。今後デザイナーから突拍子もないデザインくるかもしれないけど受け止めてあげてね!

ウエルカムです(笑)

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